オーケストラ愛聴録

クラシック大好き学生のCDレビュー

ブラームス 交響曲第2番 シャイー/コンセルトヘボウ

 どうも。たろふです。

 6月に入りましたがなかなか梅雨に入らないですね。おかげでぽかぽかとした初夏の青空がとても心地よい毎日を送っています。

 こんな日にマッチする曲と言えばブラームスの2番です。

 この2番は個人的にかなり好きな曲でして、所有盤も他の曲に比べてかなり多くなっているので今日を含めじっくり紹介していきたいですね。

 さて、その中から今日紹介するのはこちらです。

 

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リッカルド・シャイー指揮/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 1989年録音

評価…☆☆☆☆+(4,5点)

 

 シャイーは最近ゲヴァントハウス管とブラームス全集を録音しましたが、こちらはコンセルトヘボウとの旧盤です。

 まず何よりも録音が素晴らしいです。このオケの美しく透き通った音色がコンセルトヘボウの大ホールに広がる様を本当に良く捉えていると思います。録音で言えば今現在手元に20枚程度ありますがその中ではトップクラスです。

 演奏ですが、両端楽章の快速ぶりが特徴ですね。まず第1楽章ですが、提示部リピートありで18分台に乗っています。ただ、これに関しては折角の雰囲気と音色がそっけなく聞こえてしまい、もったいなく感じました。コンセルトヘボウの美しさをもう少しじっくり堪能したかったです。

 第2楽章はそれまでとは打って変わってかなりじっくりとオケを歌わせています。しかし、オケの音色が重すぎないせいか聞いていて疲れるようなことはありません。

 第3楽章は木管楽器群のうまさが光ります。流石ですね。特にオーボエの音色は絶品で一聴の価値ありです。

 そして第4楽章、この楽章は素晴らしい。シャイーの快速テンポが第1楽章と違ってしっかり決まっています。というのもこの楽章は10分以上かけてじっくり演奏するものもありそれもまたいいのですが、楽譜の指示はAllegro con spiritoなんですよね。つまり元気よく、活力を持って演奏しないといけないわけです。その雰囲気を出すためにとられるもっとも単純な方法はテンポアップなのですが、これは諸刃の剣でもあります。一歩間違うとアンサンブルがずれて決まるところが決まらなくなり、演奏がチープになってしまうのです。

 しかしこの演奏ではこのテンポにオケが余裕すら漂わせ、最高の美しさを聴かせてくれます。かつコーダではしっかり盛り上がり、聴き終わった後には大きな満足感を得ることができます。録音の良さも相まって第4楽章は所有する演奏のベストに位置付けたいですね。

 第1楽章のみ少し惜しいですが、それ以外はコンセルトヘボウの美音が光る名盤なのではないのでしょうか。

 

 ちなみに余談ですが、このCDのカップリング曲は2種類あるそうです。私が所有するのはドヴォルザークの序曲『謝肉祭』ですが、同じ見た目でウェーベルンの『夏風の中で』がカップリングされているものがあるそうです。購入の際は注意することをお勧めします。